日々、自分でツボに鍼を刺したり、生姜灸をやったりしていて気づかされたのは、ツボは遠くから効かせるのが良いということです。
例えば胃の調子が良くないとき、普通は胃のあたりにあるツボを選んだほうが効きそうな気がしますが(もちろんそれでも問題はない)、膝の近くにある足三里を使ったほうが高い効果を得られることがあります。
その他にも、腰痛の際に膝裏にある委中というツボを刺激すると、痛みがすっと消えることもあります。
ツボを選ぶ際には、四総穴などのなるべく広い範囲に聞かせるツボが良いそうで、上記の足三里はまさしくそれに当たります。足三里は胃腸の調子(食欲低下・胃腸炎・下痢・胃痛・胃下垂など)を改善するだけでなく、膝痛、美容にも効果的で、足も軽くなり走るのが速くなります。ですので、胃腸の調子を改善するのであれば他にもツボはたくさんありますが、胃腸だけに効くツボ(天枢など)を選ぶよりも、足三里を選んだほうが一石二鳥以上の効果が得られるというわけです。
その他の気づきとして、上手な鍼灸師は使う鍼が少ないというのもあるそうです。よくハリネズミみたいに顔や背中にたくさん鍼を刺している施術画像がありますが、患部に近いツボにたくさん刺しているため、あまりエレガントとは言い難く、やはり遠くから少ないツボを使って、数学の公式のようにシンプルに治療するほうが美しいといえます。
今回は鍼灸のお話でしたけれど、何か参考になれば幸いです。