アンデシュ・ハンセン著の『運動脳』を読むと、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は、ブログのタイトルにある通り、脳細胞を増やし、創造性を高め、不安を解消し、記憶力と知能を高める、と書かれています。
そう、有酸素運動は単に体重を減らしウエストを引き締めるだけではありません。うつ病の改善では、運動をする人と抗うつ剤を使用する人の治療結果にほとんど差がなく、運動をする方が再発が圧倒的に少ないのです。
学力を見ると、体力のある子の方が算数と読解力の点数が高いそうです。脳を見ると体力のある子の方が『海馬』が大きいのです。大人になると記憶を司るこの海馬が年々減っていくのですが、有酸素運動を習慣にしていると、減りにくいかあるいは増加する傾向があります。同様に有酸素運動で前頭葉も活性化され増大します。このことから認知症の予防にもつながります。海馬と前頭葉は、論理的思考力と言語の理解力に影響を与えているため、IQのスコアも高まると考えられています。
集中力も有酸素運動を習慣にすることで高まります。集中力にはドーパミンという物質が関わっていて、これは有酸素運動によって分泌されます。ドーパミンが分泌されると、不必要な情報を遮断してくれるので、今集中すべきこと(仕事や読書など)に意識がフォーカスされやすくなります。
記憶力はどうでしょうか。これも有酸素運動で高まります。記憶力を高めるには、あまり激しすぎると効果がありませんが、散歩や軽いジョギングをしながら覚えたいもの(英単語など)を暗記すると、座って覚えるよりも効果が高いのです(20%増)。
創造性も、もちろん他のものと同様に高まります。よく学者や企業のCEOなど、新しいものを生み出そうとする人が、散歩やランニングを習慣に持っているのを聞いたことがあるでしょう。これも理にかなっていて、脳の血流が増えることで創造性が高まっていると考えられています。
有酸素運動というたった一つの習慣を持つだけで、これだけの計り知れない効果が得られるのです。職場や家で座ってばかりの人はぜひ散歩の習慣を持ってほしいと思います。
中には、ヨガやストレッチをやっているし問題はないだろう、とお考えの方もおられるでしょうが、ヨガやストレッチでは上記の効果は得られないのです(残念)。
ウェイトトレーニングでも有酸素運動ほどの効果は得られないと言われています。ここはまだ研究中とのことです。
様々な効果を得るには心拍数の増加が必要だそうで、歩くよりも走る方に軍配が上がります。しかし強い疲労を感じるほど行っては逆効果ですので、疲労感が残らずに継続できるやり方が良いそうです。ウォーキングやランニング以外では、自転車や水泳でも効果が得られるとのことです。