ある程度、霊的知識を得てくると『この世は幻想』という言葉に出会い少し混乱するかもしれません。
この言葉は結構危険だと思っていて、解釈を間違えると人生は無意味だと捉えてしまうこともあります。
この幻想は何について言っているかというと、人の本質は霊(非物質)であるから、肉体(物質)は幻想(本質ではないという意味で)ということになります。
要するに霊的世界からやってきて、一時的に物質という衣を纏って生きているこの人生は、『幻想』だということです。
確かに霊的世界からすると、体は重いし、食べなきゃいけないし、大して動いていないのにすぐお腹が空くし、食べるとすぐ眠くなるし、1日のうちに三分の一は寝なきゃいけないし、服を着るから洗濯しなきゃいけないし、洗濯すればたまに雨が降ってくるし、なかなか物々交換というわけにはいかないからお金を手に入れて使わなきゃいけないし、ATMでお金をおろそうとするとおばちゃんはもたもたしてるし、とまぁ結構大変なわけです。
そして霊的世界への憧れと回帰の希望から、「もうめんどくせいやい」とか「人生とは無意味の連続じゃないか」と思ってしまうこともあるでしょう。
しかし物質界とは、こういった無意味と思われるようなことの経験も重要なのです。
体を使うとはどういうことなんだろう、体を使って何ができるんだろう、食べるとはどういうことなのか、老化とはどのような経験なのか、疲れるってどんな感じ、などこの世界でしか経験できないことを経験しにきています。
ですから『幻想』などと言い、物質世界での経験を無意味だと思うことは非常にもったいないことなのです。
もちろんだからといって、物質界にどっぷり浸かりすぎるとそれはそれで問題がありますから、霊的視野を持ちつつ、この世の面白いところ、ここでしか経験できないところを味わっていきたいものです(あー花粉症だるい、これも経験か)。