ここ数年、『体験することを意識する』ということをやってきました。
例えば坂道を登るときは、臀部と大腿部の筋肉を意識して歩く。
自然の中を歩くときは、風が身体に触れるのを感じる。木や花の色彩をリアルに捉えてみる。
食事をする際はスマホやパソコンに意識を向けずに、食材をしっかりと味わう。
呼吸をするときは、肺や腹部の膨らみに意識を向ける。などです。
僕らは大人になると生活がルーティン化して、無意識でいる状態が増えることにより、感覚が鈍化していってしまっています。
このことを哲学では『哲学的ゾンビ』というそうです。
日常的には生活を営んではいますが、内面的に何にも感じていない人のことです。
そうなってくると、時間の経過がどんどんと早く感じることになります。
子どもの時より大人になった方が1年があっという間、というのはそういうことなのです。
『意識』についてよく考えてみると、それは『生きている』ということに繋がってきます。
例えば幼い頃を考えてみると、その時生きてはいましたがはっきりとした意識がないので、体験としての記憶はほぼありません。
もし仮にその幼い頃の意識状態がずっと続くとすると、人生の経験としては、安い旅館で出された緑茶の味のような薄いものになってしまうでしょう。
大人になってからもそうで、毎日決まり切ったことを繰り返していると、無意識状態が増えて幼い頃と同じような薄い経験しか得られなくなってしまいます。
その状態から脱却するには、最初にお伝えした意識して体験するということです。
実は禅や仏教、キリスト密教などでは実はこのことを伝えていたりします。
ダスカロスのレッスンには、バラの観察、感覚性エーテルのトレーニング、視覚化などがあり、しっかりと意識して感じること、観察することをトレーニングします。
スピリチュアルのことを独学で習得するのはとても骨が折れる作業ですので、まずは日常生活で意識して体験することをやってみてください。
食事・呼吸・散歩・ヨガ・ストレッチ・歯磨きなど、全ての行動でなくて良いので1日3分からでも始めてみましょう。
最初は意識が別の方にあっちこっち飛びますが、その都度意識の対象に注意を向けなおせば大丈夫です。ゆっくりと少しずつからトライしてみてください。